塩分濃度のお話しをしたいと思います。

 

世の中には、薄味、濃い味、普通、

それぞれ好きな濃度があると思います。

 

例えば、友達とランチで定食を食べていて、

「このひじきの五目煮薄味で私にはちょうどいい〜！」

と言ったとしましょう。

 

しかし、同じものを食べたもう一人は、

「これ、そんなに薄くないし普通の濃さじゃない？」

と言ったとしましょう。

 

さて、どちらの意見が正しいのか。

正解は、「どちらも正しい」です。

 

意外と皆さんが持ち合わせていない考え方なのですが、

自分の薄味がみんなの薄味だと勘違いしてしまっているのです。

これは、普通の濃度も、濃い味も同じです。

 

例えば、

あさげなどの市販されているお味噌汁の濃度が普通だとします。

あさげ１杯分の量を、お湯１６０mlで溶いて作ります。

この普通の作り方が、プラスマイナス０ですよね。

 

ここから、薄味にする場合、お湯を足していきます。

大さじ１（１５ml）

大さじ２（３０ml）

大さじ３（４５ml）

大さじ４（６０ml）

大さじ５（７５ml）

１００ml

２００ml←味噌風味のお湯

このすべてを薄味と呼ぶのです。

 

大さじ１お湯を足す人と、大さじ３お湯を足す人、

どちらも「薄味」という一言で表現します。

薄味にもたくさんレベルがあるのです。

 

では、濃い味とは？濃度を上げたいので、お湯を少なくしますよね。

大さじ１、大さじ２、大さじ３・・・

薄味の時と同じように、

どの濃度のことも、一言で「濃い味」という言葉を使います。

 

このように、いろいろレベルがあるのですが、

自分の感覚や基準、誰かに言われた事があったり、思い込みで、

１つのレベルだけがみんな共通だと思ってしまう。

 

何か日本人共通の味の濃度レベル表があればいいのにと、めちゃくちゃ思いますw

 

料理教室にいらした生徒さんでも、

私は薄味なので、とおっしゃっていて、

いざ料理を作って私の感覚で濃度を薄くすると、

「もう少し濃い方が好きです」

と、調味料を足したりします。

それって、私の経験上、普通の濃度なんですよね。

私の教室はマンツーマンなので、味の濃度も生徒さんに合わせられるのですが、

その生徒さんのおっしゃる薄味、濃い味、普通、にはレベルがあるので、

一緒に味見をしながら決めていきます。

 

時々ですが、薄味が希望という方でも、

二郎ラーメンみたいに濃い味が好きと判明し、

「ずっと薄味って言ってました〜」

とびっくりされるケースもあります。

 

薄味好きの友達が作ってくれたお料理を、

薄味好きの自分が食べた時、

ドンピシャで同じレベルの薄味で美味しいと感じる方が難しいという事です。

 

このような時に、味の濃度レベルの話を理解していないと、

「あの友達、薄味が好きって言ってたのに、濃くて食べれなかったんだけど〜

どんな味覚してるの！」

とか、こんなエピソードを時々耳にします。

これは、考え方が足りなかっただけで、どちらも間違っている訳ではありません。

 

「友達はこのくらいの薄味レベルがお好みなのね！私はもう少し濃度あった方が好きかな〜」

など、友達の味覚や感覚を否定するのではなく、

「理解する」という事が簡単にできるようになるのです。

 

そうすれば、どのお店、どのシェフ、どの友達が作ったお料理でも、

批判する事なく、

「このくらいの味が好きなんだね！」

と「理解して美味しく穏やかにお食事がいただける」ことになります。

 

SNSや食べログで、

「味が濃すぎて不味かった・・・」

「このお店全然味しない、本当に塩入ってるの？」

など、自分が好きな味の濃度以外は一切認めないという意見を目にしますが、

自分が美味しいと思う味覚を変える必要はないのですが、

何事も、「自分の正解イコール他人の正解」な訳が無いので、

好きじゃなかったら静かにもう行かなければいいだけだと私は勝手に思うのです。

 

作っている人は、それが美味しいと思って作っているので、

その味が好きな人が集まればいいと思うんですよね。

 

服の好みや髪型の好みなど、目に見えるものはわかりやすいのですが、

目に見えないものは本当に難しいなと思います。

 

このブログを読んで、

自分はどんな濃度が好きなのか、考えてみてもらえたら嬉しいと思います。